飯田市立病院
<病院概要>
当院は、長野県の南部、南アルプスを望む高台に位置し、飯田市および下伊那地域全域の医療を支える自治体病院です。救命救急センター、地域周産期母子医療センターを有し、地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院、災害拠点病院などの指定を受けています。診療科は32科、病床数は423床です。「私たちは、地域の皆さんの健康を支え、信頼される医療を実現します」という病院の基本理念のもと、高度で良質、安全な医療を提供し、地域住民に信頼される病院を目指しています。
また、地域の病院、開業医、訪問看護ステーションなど、地域全体で患者さんの情報を共有できるICT『ism‐Link(イズムリンク:i飯田 S下伊那 mメディカルリンク)』を活用し、急性期医療だけでなく、地域連携を活かしたがん緩和医療や在宅支援にも力を入れています。
<手術室の紹介>
当院の手術室は、手術室8室と血管造影室2室を管理し運営しています。手術室の平成28年の手術件数は4286件、血管造影室における検査・治療683件を含めると4969件となり、平成27年と比較し約200件増加しています。救命救急センター、地域周産期母子医療センターを併設しているため緊急手術が多く、年間約1400件(手術件数の29%)の緊急依頼に対応しています。(緊急手術とは、手術前日までの依頼12%と、当日依頼17%を含みます。)年間手術件数は増加傾向であり、緊急手術に迅速に対応しながら、1日20~28件の手術を実施しています。
手術室部署目標
1.倫理的な配慮・判断のもとに、患者・家族が安心して手術に望めるよう支援する。
2.各科、他部門との連携を図り、効率的で安全な手術ができる環境を作る。
3.科学的根拠に基づいた、感染対策を実施する。
4.最先端の治療や機器の進歩に伴い、質の高い治療・技術を提供するために自己研鑽に努める。
上記の目標を掲げ、患者さんやご家族が安心して手術に望めること、患者個々のリスクを考慮した安全な手術の実施に取り組んでいます。
<安全への取り組み>
WHOが推奨する安全チェックリストの中の、「タイムアウト」を導入するための活動を平成20年に開始しました。その後、順次「サインイン」「サインアウト」を導入した他、さまざまな医療安全対策に取り組んできました。日常的なエラーからインシデントに至るまで、手術室看護師や麻酔科医師、外科系医師と速やかな情報共有と、対策検討を行い、安全な手術室医療につなげています。平成26年からは、麻酔科医師との情報共有を目的とした「術前ブリーフィング」を導入しました。麻酔科医師、看護師が得た情報を双方向でやり取りすることで、患者さんの個別リスクの共有が可能となりました。平成27年からは、「情報アセスメントチェックシート」を作成し、手術室経験年数の少ない看護師でも、適切にリスクアセスメントとリスク対策を行うためのツールとして活用しています。新人看護師だけでなく、ベテランにとっても、自身の経験を形式知に活かし、実践を確認するツールとなっています。情報アセスメントチェックシートを活用しブリーフィングを実施することにより、患者さんの安全を守るだけでなく、チーム医療におけるノンテクニカルスキル向上につながっています。
また、手術室関連では定着しているラテックスアレルギー対策ですが、一般病棟のスタッフの意識が低かったことから、ラテックスアレルギーに関する院内勉強会を開催するなど、手術室から安全対策の情報発信を行いました。手術室で使用する医療材料だけでなく、院内すべてのラテックス製品を把握し代用品を選定するなど、手術室の取り組みが院内全体の安全対策として広がりを見せています。
日本手術看護学会 関東甲信越地区
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