第36回学会 ↓
2025年6月14日(土)パシフィコ横浜アネックスホールにおいて、「第36回日本手術看護学会関東甲信越地区学会」が開催されました。来賓には、神奈川県看護協会会長 長野広敬様、日本手術看護学会理事長 ミルズしげ子様をお迎えし、周術期看護の教育を考えるよい機会となりました。
今回の学会テーマは、「どうする?周術期看護の教育―多様性な価値観を分かち合うために―」としました。超高齢社会、少子化による人口減少など社会構造の変化が加速する中、看護師人口の減少に伴い、外国人看護師やプラチナナースの雇用など多様な人材活用や働き方が求められる時代となっております。高度化、複雑化が進む手術医療の中で、私たち手術室看護師は様々な変化に柔軟に対応しながら、質の高い周術期看護を提供していく必要があります。
周術期看護の質を担保した専門性の高い手術室看護師を育成するにはどのような教育が必要なのか、どのような人材を育成すべきなのか、多様性を活かした周術期看護教育のあるべき姿を考える機会となることをねらいとしました。
特別講演では自治医科大学看護師特定行為研修センター准教授 八木街子先生より、「安全な周術期看護の実現に向けてー特定行為研修と人材育成の可能性―」についてご講演をいただき、具体的な取り組みについて考える機会となりました。
シンポジウムでは、「未来へ繋げる周術期看護」をテーマとし、4名のシンポジストをお招きし発表して頂きました。周術期看護に携わるようになったきっかけや、自身の思いなどについてお話いただいた後、活発な意見交換を行うことができました。
口演5題、手術看護実践報告・活動報告7題、示説5題の発表、参加人数は933名と、盛大な学会となりました。来年も皆様のご参加をお待ちしております。

医療法人社団 紺整会 船橋整形外科病院 小松孝治
今回の学会では「腹臥位脊椎手術における体位固定用具の違いによる患者への影響」という演題で発表し、優秀演題に選ばれました。このような大規模な場で発表することは、初めてでしたが、たくさんの方々の協力があり、実現することができました。
日々業務を行う中で、ふと気にかかったことが今回の研究のはじまりでした。研究の準備にあたっては、これまで院内で行ってきた数多くの研究資料も大いに参考にさせて頂きました。調査用のデータをとる際は、手術室内だけにとどまらず、病棟看護師にも協力して頂き、看護部全体で取り組むことができました。統計的な処理については他部署の方にご助力頂き、発表資料についても、看護部の学術担当の方々から的確なアドバイスを頂いたことでやっと発表できる形になりました。
今回の研究を通して、病院としてのチーム力、総合力というものを感じました。これまでの先人たちの積み重ねがあったからこそ、最良の結果を得ることができたと思います。
今後は自分自身も、他者への協力を惜しまず、奥の深い手術看護をよりよいものにしていけるよう、日々の業務や研究活動に取り組んでいきたいと思いました。
伊勢崎市民病院 齋藤 慎
今回の学会テーマ「どうする?周術期看護の教育―多様性な価値観を分かち合うために―」のもと、当院手術室におけるロボット支援手術でのラテックスアレルギー対策についての活動を報告させていただきました。今回の取り組みを通じて、手術に使用する物品の情報を事前に確認し、多職種で共有することで、安全に手術を遂行できることを実感しました。また、ラテックスアレルギー対策は症例ごとに対応するのではなく、日常的に情報を更新し、マニュアルに反映していくことで周術期看護の質向上となり、教育的な面でも有効であると感じました。
シンポジウムでは、新人や異動者の教育とモチベーション維持について各施設の取り組みが紹介され、日々の声かけや環境づくりが人材の定着に直結することを学びました。教育方法における多様なアプローチを知ることもでき、自施設での課題や工夫点を客観的に捉え直す機会となりました。今回、教育の在り方について得た多くの学びを、今後の教育システムの見直しに繋げていきたいと思います。
日本手術看護学会 関東甲信越地区
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